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長年、美味しいパンを作る事に専念していた友人のパン屋さんが閉店する事になりました。ブログで知ったのですが、すごくショックでした。

(友人のブログより)
誠実に自分の納得のいくパンを作ろうと頑張ってきましたが、時代の波に飲み込まれてしまいました。“効率よく”“はやりの”“安価な”パンはつくれないと。ほんの10日まえに決心いたしました。それまではまだまだ頑張るつもりで、機械の修理に数十万もかけ、毎月チラシを発行し、新製品の開発も続けてきたのですが、なんせ睡眠2時間。精神的にも資金的にも体力的にももう限界かな・・。
夫婦で寝る間も削って頑張って来たパン屋さんでした。評判が良くメディアにも載りました。でも「職人」気質のご主人がこだわるパン作りだけでは生きて行けない厳しい現実がありました。

彼女のブログはこうも書いてます。
良い演奏家が、必ずしも良い指揮者になれるわけでは無いように、良い職人が必ず成功する経営者になれるわけではない。


私の周りにも「職人」気質のミュージシャンが沢山います。でも食べていくためには、自分の求める「音楽」を諦めなければならないのも事実です。「音楽」をしながら生活が出来るだけでラッキーと考えなければならないのが現実でしょう。
食べて行くためにはプレイヤーなのに指導をして教鞭代をもらうことも、演奏したいジャンルが違っても演奏して演奏代を稼ぐ事をしなくてはいけないのも現実です。

認めてもらうためにやるのではない、食って行くためにやるのでない。自分が求める物を作って行く、そんな職人さんが生きて行ける世界はただの自己満足なのでしょうか?


一人で生きて行けない世界で、職人は存在しないのでしょう。

ピアニスト





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小さな頃は、ただ弾けるだけで楽しかったピアノも、ある程度弾ける様になると、ただ弾くだけでは「何か違う・・・」と気付く時が来ます。

今教えている生徒さんの中にも、今まで教えてきた生徒さんの中にも必ずいました。

練習してるのに何故…?」

皆同じ様な疑問を持ってしまいます。


つい先日も、6年間習っている生徒さんが「こんなに練習しているのに何故…?」。そんなジレンマにレッスンが終わってきっと涙を流した事と思います。
丁度レッスン終了後お母さんとお話しすることが出来ました。
練習はしてるのですが、今日も怒られたんじゃないですか


ですよね。
子供達は出来ずに何度も何度も繰り返し弾かされる事に「怒られた」と感じた事でしょう。
その時は、次の生徒さんも待っておりましたので、その日の夜メールでお話させて頂きました。

(以下メールの内容より)
『同じところを何度も何度も弾かされたので本人は怒られたと勘違いされたのではないでしょうか? 事実今までとは随分内容の違うレッスンに入って来ました。
(中略)
目には見えない「音楽」を演奏するために、書いてある音符の後ろにある風景、空気感、呼吸、感情、色等々、何度も何度も弾いて、表現する事の楽しさを見つけるレッスンに変わろうとしています。』


上記の様にこう言った生徒さんは、実はとても難しい時期に入ってます。
指も動くし、読譜力もある。なのに何度も何度も弾かされる。「何で!?」って疑問詞が沸いて当たり前でしょう。

音符は表現するための材料で、音楽は流れであり呼吸です。
気持ちの中に想像した感情を音に込める事で表現する、作品なのです。

そんな音楽を作り上げるのは理屈ではありません。
何度も何度も弾いて「何か違う…。でも何が…!?」の答を自分自身で見つけながら作って行くのです。

「壁」を乗り越えるには数式も答もありません。自分で掴むしかない領域です。
どうか、何度も何度も弾く事を諦めなければ、いつか必ず自分だけの音楽を表現出来る日が来るはずです。


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