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毎年この時季「冬の演奏会」と言うものを行っております。
実は今日、22回目の会がありました。
一年間習った曲の中で、好きな曲・得意な曲を自分で選び演奏する会です。
実はこう言う趣旨の会を作ったのは、とある生徒の一言でした。
十数年前、その時高校生だった生徒に「好きな曲を弾いてみて♪」とお願いしたところ、
「好きな曲が分からない…」と一言。
愕然としたことを覚えています。
何年も習っているのに自分の好きな曲が分からない。
何か弾きたいと思っても何も思い浮かばない。
与えられた曲をこなし、ある程度弾けたら次の曲への繰り返し。
その頃のレッスンを思えば無理なことなのかもしれません。

その子の言葉をそのままにしてはいけないと思い一念発起、
いつでも好きな曲が弾ける、誰かのために弾いてあげられる、
そんなピアノが弾けるよう、生徒との会話を重ね、
音楽のジャンルの視野を広げ、曲が仕上がる度に録音し練習した曲を忘れない、
そんなレッスンを根気強く続けて来ました。

 先日、遠くへ引越しされた生徒からこんな御手紙を頂きました。 「(中略)私も今年受験生です。引越ししてからはピアノも辞め弾く機会もなくなりましたが、勉強に追われる毎日の中、急にピアノが弾きたくなり、好きだった曲を勉強の合間に弾いています。後から後から好きな曲が沸いて来て『勉強の合間』ではなくなりそうです!」

長年かけて作り上げた成果が生徒に浸透しているんだと実感した瞬間でした。
 最近では、曲が仕上がる度に「次はこの曲が弾きたい!」
「テレビで聞いた曲を教えて!」と、自発的な声も随分増えました。

レッスンは与える事が多く、子供達は受身になりがちです。  
私達ピアノ教師も与える事に追われ、子供達の自主性を見失いがちです。
でも音楽を教える者として、
弾くことの楽しさを教える義務があることを決して忘れてはならないと思います。
22回 冬の演奏会より

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